金子みすゞ 作、矢崎節夫 選、森川百合香 絵、JULA出版局
金子みすゞはNHKの教育番組で「大漁」が詠まれてから一気に人気が上がり、よく知られる詩人になったと記憶しています。それ以前に私は「金子みすゞ全集」(JULA出版局)という全3巻の詩集を持っていましたが人に譲ってしまい、今となっては後悔しています。白い表紙の3冊の本が青い箱のケースに収まっていて美しい装丁でした。短い生涯だった金子みすゞの作品を読むと、素朴で純粋でありながら思いがけずハッとさせられる気付きをもたらす深みがありました。ふんわりしているのに、きりりとした印象も持っていました。中でも私が一番深く感動し大好きな詩は「ほしとたんぽぽ」です。
― みえぬけれども あるんだよ、 みえぬものでも あるんだよ。 ―
「ほしとたんぽぽ」にあるこの言葉を綴った金子みすゞのまなざしの深さには、何度読んでも感銘を受けます。
絵本「おひさん、あめさん」には15編の詩が掲載され、優しい絵とともに楽しめます。最後は「ほしとたんぽぽ」で締めくくられています。ほとんどひらがなで書かれています。
2022年に512編もの詩を1冊に収めた「金子みすゞ童謡全集」が出版されています。2023年は金子みすゞ生誕120年だったそうです。
「金子みすゞ童謡全集」
金子みすゞ (著)、矢崎節夫 (監修)、フレーベル館
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