「えんどう豆の上にねむったお姫さま」

お姫様らしいお姫様をおきさきに迎えたい王子様は、
本物のお姫様を求めて世界中を探して回りましたが見つけられません。
しかし、ある嵐の夜、
本物のお姫様だと名乗る、風雨に打たれた哀れなお姫様が訪れました。
本物のお姫様であるかどうかを見極めるため、
贅沢な寝具の下にえんどう豆を置き、寝心地を尋ねてみると・・・。

「えんどう豆の上にねむったお姫さま」
アンデルセン 作、ドロテー・ドゥンツェ 絵
ウィルヘルム・きくえ 訳 太平社

 チャーミングでファンタジックな香りのする、乙女心をつかむ魅力の絵本です。32.5×25㎝の大型絵本。その大きな紙面で、淡い色と深みのある色が心地良く調和した描写にうっとりします。特に、お姫様のために用意したベッドにえんどう豆が置かれ、その上に幾重にも重ねられた淡い色彩の寝具の層には心を奪われそうです。この寝具の描写のための大型本!という感じです。また、登場人物のすべてが実に個性的で人間味豊かな表情をしているのも見ものです。アンデルセン童話の一つですが日本ではあまり知られていない作品かと思います。私はとても好きな作品で一押しです。英語の題名は The Princess and the Pea です。
 低学年で習う漢字や「姫」という漢字にはふりがなが振ってありません。難しい漢字にはふりがな付き。

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