リサとガスパールは、おばさんが働くデパートでのクリスマス・ショーを見に行きました。
デパートに着いておばさんが目を離している間に、
リサとガスパールはおもちゃ売り場に来てしまいます。
売り場は休館日なので、他に誰もいません。
「ちょっとだけなら・・・・いいよね」
リサとガスパールは大はしゃぎ。
アン・グッドマン 作、ゲオルグ・ハレンスレーベン 絵
石津ちひろ 訳、ブロンズ新社
ブロンズ新社の「リサとガスパール」シリーズは2021年9月をもって販売終了
デパートのひと気のない場所で好き放題に遊んでしまったリサとガスパールは、おばさんに当然叱られてしまいます。けれども、嬉しいことにおばさんは二人のした事をおおらかに受け入れてくれます。そしてクリスマス・ショーへ。リサとガスパールには忘れられないデパートでの一日になったことでしょう。子供のやんちゃな心を開放してくれる展開が楽しく、優しいおばさんにほっとします。そしてかわいらしく色とりどりの絵が素敵です。ここで描かれている舞台はパリのデパート、ギャラリー・ラファイエットで、クリスマス・シーズンにはイルミネーションで豪華に飾られることで有名です。その姿を絵本の中で楽しめます。
アンとゲオルグ夫妻がリサとガスパールを世に送り出したのは1999年。優しく親しみやすい物語と絵には癒されます。ゲオルグ・ハンスレーベン氏の絵は色彩や影の描写の楽しい参考書にもなります。「デパートのいちにち」では、光が美しく印象的に描かれているので注目です。
リサとガスパールの原画展を見に行った時に知りましたが、ハレンスレーベン氏がキャンバスに向かう時はいつも真摯に立って筆を執るのだそうです。そして、キャラクターの姿かたちを決定する時は無数のスケッチをして決め出すそうですが、リサとガスパールのしっぽは、キャラクターが生み出された当初はとても長かったそうですよ。原画展でその絵を見たら、カンガルーのしっぽのように床まで垂れていました。
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