「おおきな木」

少年の成長を見守るりんごの木の物語。

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シェル・シルヴァスタイン (著)、村上 春樹 (訳)
あすなろ書房

 おおきな木と少年にどこまで共感するか。おおきな木と少年に、自分の知っている誰かが思い重なるか。この本に抱く気持ちは、いつどんな時に読むかで変化していく。幼少期に読んだ時、親になって読んだ時、子供が巣立ってから読んだ時、こうして時を経て読んでは新たな余韻が残る。この本の簡素な文章と絵、淡々と移り変わる時間の中に人の人生の断片が詰まっていて、所々で読み手の経験と交差する。このおおきな木の様に少なくとも何か確かなものを築きたい大人が、本棚にいつまでも残しておきたいような作品だ。

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