「トゥース・フェアリー」

女の子は、抜けたばかりの歯を小箱に入れて眠りにつきました。
すると近くに住む妖精が秘密の場所に出かけ、
何やら忙しく仕事を始めました。

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「トゥース・フェアリー」妖精さん、わたしの歯をどうするの?
ピーター・コリントン 作、BL出版

 子どもの歯が抜けると、日本では上の歯は屋根の上に、下の歯は縁の下に放り投げ、永久歯がまっすぐに生えるよう願いをかける慣わしがあります。私も子どもの頃にそうしました。ところが今はマンション住まいなので、子どもの歯が抜けた時にその歯をどうしようかと困りました。西洋では、抜けた歯を箱に入れて枕元に置いておくと、眠っている間にトゥース・フェアリーという妖精が来て、歯と引き換えにコインを箱に入れていくという言い伝えがあるそうです。
 では妖精はどうやって歯とコインを交換しているのか。なぜ歯を持って行くのか。これらの疑問に答えてくれる素敵な絵本がピーター・コリントンの「トゥース・フェアリー」です。漫画のようにコマ割りしてあり、文字はないのですが流れるように話がわかります。女の子の歯が抜け、歯を箱に入れて眠りについてから、朝目覚めてコインを見つけるまでの物語です。女の子が眠っている間に、妖精がいよいよ慌しく、確かな仕事を始めます。そのロマンチックな想像の世界を堪能しながら、妖精が歯を必要としている訳に感心させられます。男の子も女の子も楽しめる絵本です。
 ところで、日本のアニメがもとになった人気ハリウッド映画「トランフフォーマー」の中で、夜、トランスフォーマー(ジャズというキャラクター)が庭で騒々しいので、枕元に抜けた歯を置いて眠っていた女の子が起き出し、トランスフォーマーを見て「歯が抜けると現れる妖精さん?」と話しかけるシーンがあります。西洋の文化を知ると、そんな映画のひとコマもよくわかり、ちゃんと笑えますね。

日本語版は絶版のようです。洋書はこちら↓。アマゾンにリンクします。
PR: Peter Collington. “The Tooth Fairy.” Jonarhan Cape Ltd, 1995.

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