「かちかちやま」

じいさまは畑でタヌキを捕まえてきました。
ばあさまにタヌキ汁を作るようにと言い、じいさまは出掛けます。
ところがばあさまは、タヌキに打ち殺されてしまいました。
じいさまが悔しくて泣いているところにやって来たウサギは、
かたきをとってやることにしました。

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「かちかちやま」福音館書店
小澤俊夫 再話、赤羽末吉 画

 タヌキに殺されたばあさまは、タヌキ汁ならぬ「ばあ汁」にされてしまいます。タヌキはばあさまに化け、帰って来たじいさまは、ばあ汁をそれとは知らずに食べ尽くしてしまいます。この残酷な話を隠さずに語っている。これぞ「かちかちやま」。ばあさまのかたきをとってやる事にしたウサギは、タヌキを何度もだましてはひどい目にあわせた上に成敗してしまいます。ウサギのじわじわとして執拗な復讐劇は、哀れなばあさまの話を抜いては成り立ちません。
  貴重な「ばあ汁」の話が盛り込まれているだけではありません。この「かちかちやま」ほど、文章も絵もわかりやすいものはないと思います。文章は一言も削れないほど無駄がなくすっきりしていて読みやすく、絵は、赤羽氏の作品はどれもそうなのですが、見やすくてストレートに話の内容や面白さが伝わってくるのです。


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