「さあ起きなさい、子どもたち。もうすぐ春がやって来る。」
大地の母さんとともに、木の根っこの下に住んでいるねっこぼっこたち。
自然の恵みを愛でるねっこぼっこたちの微笑ましい暮らしに、
心解き放たれる素敵な物語です。
「ねっこぼっこ」平凡社
ジビュレ・フォン・オルファース 作、秦理絵子 訳
絶版になりました
作者のジビレ・フォン・オルファース (Sibylle von Olfers) の最も有名な作品の日本語版のようです。原作は1906年にドイツで出版された ”Etwas von den Wurzelkindern” で、英語では “The Root Children” というタイトル。世界中で人気を誇る美しい絵本です。
木の根っこの下に住んでいるねっこぼっこたちは、推測するに親指姫くらいの小さな子どもたちです。春になると起き出して、せっせと手仕事をしたり、大地の自然に生きる草花や虫たちと遊んだり。ねっこぼっこたちの愛らしい姿と、豊かな自然と一体となった歓喜の描写に、心癒されうっとりとさせられます。言葉は少ないですが、絵が十分に語っていると思います。
短い詩的な日本語文はリズミカルで、母音が韻を踏む工夫がたくさん盛り込まれています。
漢字はすべてふりがな付きです。
また、「根っこのこどもたち目をさます」という絵本もあり、絵はほとんど同じですがもっと長い文章が添えられています。絵の情景を言葉で説明したような文章になっています。
「根っこのこどもたち目をさます」童話館出版
ジビュレ・フォン・オルファース 絵
ヘレン・ディーン・フィッシュ 文、石井桃子 訳
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