年老いて仕事をやめた粉屋は、
3人の息子達に財産を分けることにしました。
一番上の息子には粉をひく風車を、2番目の息子にはロバを、
一番下の息子にはプスという名の猫をやりました。
猫など何の役にも立たないとがっかりする一番下の粉屋の息子。
ところが、その猫は賢く自信に満ちていました。
粉屋の息子は猫の知恵に導かれ、
あれよあれよという間に王様に気に入られ、そして・・・。
「ガルドンの ながぐつをはいたねこ」ほるぷ出版
ポール・ガルドン 作、寺岡恂 訳
日本子どもの本研究会選定図書
「長靴を履いた猫」の話はさまざまな絵本や本になっています。この個性派の猫を、絵本では例えばハンス・フィッシャーはユーモラスにひと際目立たせて、マーシャ・ブラウンは華やかにしなやかに、ジュリアーノ・ルネッリはエレガントに描いており、いくつも読み比べてみるのも面白いです。
私が一番大好きな「長靴を履いた猫」の絵本はポール・ガルドン作「ガルドンの ながぐつをはいたねこ」です。登場人物は皆感じが良く、明るく軽やかで爽快な物語になっています。絵を眺めると話がわかりやすく見えてきて、幼い子どもも楽しく読めます。粉屋の息子が突然に高貴な身なりをしても、人一倍男前なのでよく似合い不自然ではないのも見て楽しめます。この点は他の絵本よりもわかりやすいと思います。この面白さをぜひ本棚に!
すべてひらがなとカタカナで書かれています。
また、元々の話と読み比べるならばこの本をどうぞ。
「完訳 ペロー童話集」岩波文庫
シャルル・ペロー著、新倉朗子 訳
「長靴をはいた猫」
「ベスト・セレクション 初版グリム童話集」白水社吉原高志・吉原素子 訳「長靴をはいた牡猫」
絶版になりました
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